最低限の被害者救済

自賠責保険

自動車保険が任意保険のみであった場合、多くの人は「自分は事故を起こすわけない」と思っているので、節約のため加入しないという方が増えていくことでしょう。

実際、日本での任意の自動車保険加入率は約73%です。残りの約27%の方が事故を起こした場合は、その事故の被害者は何の保障も受けることが出来きません。

被害者に経済的余裕が無い場合は、治療も出来ない、元の生活には簡単に戻れないということが起きてしまいます。そんなことが多く発生してしまうと、安心して暮らせる社会の実現は難しくなってしまいます。

そのため、最低限の被害者救済の処置が求められます。そのため、全ての自動車に強制的に加入させる自賠責保険が必要なのです。

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法に基づき、自動車の運行による人身事故の被害者救済のために自動車・原付などすべての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。

どのように管理されているかというと、まず自動車の場合は車検を受ける際には必ず次回の車検満了日をカバーする自賠責の提出を求められます。

万が一、未加入のまま一般道で自動車を走らせれば、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰および免許停止等の行政罰が科せられます。

自賠責対象事故

自動車の運行によって他人を死傷させた場合の人身事故が対象であり、車両等の物的損害は対象外となります。

ただし、元々被害者が眼鏡を使用している場合は身体の一部として認められ、5万円を上限に支払いが認められています。

補償内容

<傷害>

被害者がケガを被った場合の治療費や看護費、休業損害、慰謝料など

  • 支払限度:120万円

<後遺障害>

事故による傷害が原因となり、被害者の身体に精神的または肉体的な毀損状態が残されたもので、事故との相当因果関係が医学的に認められた場合支払われる慰謝料

  • 支払限度:75~4000万円

<死亡>

被害者が死亡した場合の葬儀費用や逸失利益、慰謝料

  • 支払限度額:3000万円

上記の支払い限度額は1名についてであり、1つの事故で複数の被害者がいた場合は各人について適用されます。

請求方法

〈加害者請求〉と〈被害者請求〉の2つの方法があります。

〈加害者請求〉

被害者に賠償金を支払った後に、その実際に支払った金額について領収証等の必要書類を添えて加入する損害保険会社に保険金の請求を行います。

〈被害者請求〉

加害者の加入している損害保険会社へ直接必要書類を添えて、被害者側から損害賠償額の請求を行います。

請求の期限(時効)

自賠責保険の保険金請求には保険法により請求期限が設けられています。

〈被害者請求〉

被害者へ損害賠償金を支払った日から3年以内

〈加害者請求〉

事故があった日から3年以内。ただし、死亡の場合は死亡日・後遺障害の場合は後遺障害の症状が固定した日からそれぞれ3年以内となります。

自賠責の適用外のケース

損害賠償責任を負った場合に適用されます。そのため、下記のようなケースでは自賠責による保険金請求が出来ない場合があります。

  1. 相手に責任が無い場合・・・例)被害者が停止自動車に衝突した場合
  2. 電柱に衝突などの自損事故で死傷した場合
  3. 自動車の運行による死傷ではない場合・・・例)駐車中の自動車に子供が自転車でぶつかり死傷した場合(自動車の運行とは、走行中・ドアの開閉・ダンプカーの荷台上げ下げなどを指します)
  4. 被害者が他人ではない場合・・・自賠責がついている自動車の持ち主が友人に運転をさせ事故に遭い、死傷した場合にはその自動車の持ち主に対しては保障が出来ません。

自賠責保険では、これまで述べたように他人への対人保障のみを目的としており、自身の過失についてはその保障を受けることが出来ません。

また、対人賠償は高額化しますので、自賠責のみではその保障は不十分です。そのため、自賠責保険に加え任意の自動車保険への加入が必要となってきます。

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