交通事故が一方の責任だけで発生したことが明らかである場合、その事故責任の所在は明らかです。責任の所在が明らかであるということは、加害者と被害者の区分が明確になるということです。

ですが、例えば車と車の正面衝突が発生したとして、両方のドライバーがよそ見をしていた場合、どちらが悪いのかということを定義付けることはとても難しい問題です。

警察はもちろん細かく調査をします。ハンドルを切った形跡やブレーキの後など、現場に残された痕跡を正確に分析して、その時に何が起こったのかということを冷静に判断しようとします。

その結果は事故証明として保険会社を始めとする関係機関による事故の後処理に用いられることになり、警察の資料がその事故のすべてになります。

その結果、お互いに悪かった、これは五分の責任がある事故だということになった場合、過失割合は5割ということになります。

お互いが怪我をして、お互いに責任があるイーブンの事故、という例はほぼ例を見ないものですが、そのような過失の割合は自賠責での補償、任意保険での補償などにも影響することになります。

ただ、自賠責保険は交通事故によって怪我をした方を救済する前提になっているので、過失割合がどうであれ怪我をした方を被害者として扱います。ただ、怪我をしていても事故証明で過失割合が7割を超えた場合、減額されてしまうので注意が必要です。

このようにその後の補償に関係する要素、事故の性質を定義付ける唯一の根拠になるのが警察の事故捜査資料になります。

そのため事故後に急行してくる警察の交通機動隊は迅速に現場を確保しますし、事故を見ていた方に詳細に証言をとります。当事者が話すことができる状態であれば、当事者にももちろん仔細な説明を求めます。

ただ、警察は事故の事実を記録するだけであり、過失割合を決めるのは民事上のことになります。つまり保険会社や弁護士などが、その事故証明を根拠に決めます。

もちろん、事故の当事者が刑事起訴されれば、起訴された方が加害者になりますので過失割合も傾きます。誰がみても一方的な事故である場合は、過失割合を考えることはほぼありません。

お互いに車、お互いの不注意が重なった場合は、そのときの状況などから当事者の代理人が話しあって決めます。

そしてそれがその後の補償を左右することにもなるため、係争が後を絶たないということになります。過失割合の算出から、交通事故の後処理トラブルが発生するといっても過言ではありません。

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