交通事故による怪我は程度や状況によってそれぞれ異なります。

それぞれのケースでまったく同じ怪我をするということはなく、世の中に存在している過去の実例すべてと照らしあわせても、怪我だけはまったく等しいケースを見つけることはできません。

さらには、その回復も被害者の体質や年齢で回復度合いが異なるものですし、一定の医療を受けたとしても同じ確率で回復するというわけではないのです。

ひとりひとりの被害者では怪我のケースは異なるものの、それでも傾向として重大な障害を残してしまう事例、私たち人間が持っているはずの感覚機能などに異変を残したままになってしまう事例として、高次脳機能障害という括りがあります。

高次脳機能障害は私たちのすべてを司る脳の機能の中でも、大脳の損傷による障害のことを指しています。

例えば何を食べても味を感じなくなってしまったという場合、それによって別に仕事に差し障りがない人もいますが、人によっては例えば料理人という職業だったけれど転身せざるを得ない、という状態になります。

そうではなくても、食べることというのは私たちの楽しみの一つでもありますから、そのような楽しみを完全に奪われてしまうということになります。

交通事故の被害によって人生の楽しみが奪われてしまうということです。

味覚は例のひとつです。味覚だけではなく、聴覚や嗅覚なども同様です。人によってそれを仕事にしているかどうかは違いますが、回復の見込みがない状態で固定されてしまった場合、一生そのままということになります。

また、大脳の損傷によって記憶障害を起こすケースなどもあります。

直前に何をしていたか分からないということですが、そのような状態では仕事がまともに進められないということにも繋がります。

一人で外出することも困難になるなど、命に別状はなかったとしても、生活が一変してしまうのです。

このような高次機能障害も、後遺障害等級に当てはめることができますが、定義の中には高次機能障害という言葉は出てきません。

神経系統の著しい障害という表現になっています。

等級認定では、脳の部位に関することや細かい症状に関することをそれぞれ定義しているわけではないということです。

脳に関連する等級は9級から1級と高い部分で定義されています。

被害者本人が認定に向けて動くことができない場合、周りの方がサポートしてしっかりとした補償を受けることができるように取り計らうことが大切です。

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