交通事故による損害は、物損や怪我など、直接的な被害だけにはとどまりません。

少なからず被害者は事故の前後で、生活が変わるということを考える必要があります。

その交通事故がなければ、被害者はなにも変わることなく、生活を送ることができていたはずです。

事故の程度によりますが、被害者の生活を変えてしまうインパクトが交通事故にはあるということです。

ただ車を直しただけ、壊れてしまった物品が弁償されただけ、では、不十分である可能性があります。

事故が深刻なものになればなるほど、規模が大きくなればなるほど、このような懸念は増していきます。

事故の被害者が怪我をしてしまっている場合、それが治癒するまでは少なからず被害者は不自由な暮らしを強いられていることになります。

この怪我の治療費などは実損に数えられるので積極損害になりますが、その怪我のせいで仕事に行けなくなってしまい、収入が減ってしまった場合、それは休業損害となります。

この休業損害などを「消極損害」といいます。

消極損害は、事故の被害者が、その事故が無ければ得ることができていたはずのお金です。

ですから、仕事の内容や収入に踏み込んだとてもセンシティブなものになり、補償する際の計算も難しくなります。

被害者が明確に怪我をしていて、入院や治療などで仕事に行けなくなってしまったのであればまだわかりやすいのですが、後遺症などで実務に支障が出て給料が下がってしまったという事態をどこまで補償するのかという点などは事故のそれぞれの案件で金額の算出が難しい部分でもあります。

事故の内容が大規模で深刻であるほど、これら消極損害の計算が難解になります。被害者にとっては事故のトラウマも被害の一部ですから、即物的な観点だけで図ることはよくありません。

事故を起こさないこと、あわないことが一番ではあるものの、可能性としては誰でも被害にあう可能性を抱えています。

ですから、被害にあったときに備えて自身がどれだけ稼いでいるのか、どのような条件が崩れてしまえばいくら損害が出るのかということを意識しておくことで、スムーズな賠償請求が可能になります。

もちろん、同時に加害者にもなり得るのですから、交通安全を心がけて事故を起こさないように気をかけることが大切です。

消極損害が示すところは、ひとつの事故が誰かの、それまで当たり前だった生活を破壊してしまうということでもあります。

そして、万が一事故の当事者になってしまった場合は、消極損害のことをしっかりと考慮することが大切です。

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